テクニカルダイビングとは、沈没している船の内部などの閉鎖されている環境に進入したり、洞窟のように全体が覆われている環境で行う潜水のことを指します。
一般的なダイビングは震度40メートル前後までで、頭上がふさがれておらずいつでも水面に浮上することが可能で、1ダイブに1種類のガスのみを使用し減圧停止を伴わない潜水のことを指しますが、テクニカルダイビングはガスの種類によるものの最大潜水深度に制限はなく、1ダイブで2種類以上のガスを使用した減圧停止が必要な潜水です。
エモンズ(USS Emmons)ダイビング・沖縄最大の沈没船
海外では比較的メジャーなマリンスポーツのひとつですが、日本では危険なイメージが伴うためレジャーというよりも専門的なイメージがあることが現状です。
海中鍾乳洞や沈没船の捜査などで必要な潜水技術や知識を基に1950年代から行われていましたが、1990年代に入って雑誌に紹介されてから、ハードなマリンスポーツとして広く世間に知られるようになりました。
使用する機材はトラブル時の置き換えや丈夫さなどの安全性とともに効率性が求められるもので、マニフォルド・ダブルタンクやサイドマウントなどの2系統の呼吸源と、バックプレートやハーネスとプラダによる浮力調整装置、キャニスタライトを用いた長時間照らすことができる照明器具や非常時に使用するバックアップライト、リールやスプール、水上位置を表示するサーフェースマーカーなどの機材を使用し、フィンも通常よりも幅が広く短いスクーバプロジェットフィンを使用します。
しかし、潜在的なリスクが伴うためテクニカルダイビングは誰もが気軽に始められるものではなく、その状況に応じて適切な対応ができるよう知識やスキルを磨く必要があります。
日本においては基本的にオープンウォーターダイバーもしくは他の指導団体から資格ある認定を受けていることと、今までに最小限10回以上のログブックに記録されたダイビング経験を持っていること、年齢が18歳以上であることが必要となっています。
講習内容はダイビング指導団体によって多少異なりますが学科講座が5時間前後で、タンクのセッティングや浮力チェック、装着時の浮力コントロール・フッキングと、脱着・エアーシャー・バックアップを使用しての残圧管理などの限定水域による講習が半日前後で、最終的にこれらの操作を行いながら2日間で4~5ダイブを経験します。料金は教材費や申請料を含めて8万円前後が相場となっています。