沖縄のダイビング事故は多い?2023年の事故事例から原因と注意点を解説

「沖縄でダイビング事故が起きた」そんなニュースは、ほぼ毎年耳に入ってきます。2023年も何件かダイビング事故が報道され、残念なことに死亡事故もありました。

このようなニュースから、「ダイビングに興味があっても事故がこわくてやろうと思えない」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、ダイビングの安全性や事故を防ぐために注意すべきことを解説します。

以下の沖縄のダイビングショップのホームページの記事を参考にしています。

2023年の沖縄ダイビング事故の事例

ほぼ毎年耳にする沖縄ダイビング事故のニュース。2023年も残念なことに次のような事故が報道されました。

  • 6月19日、沖縄ルカン礁北側で、ドリフトダイビングをしていたインストラクターとゲスト7名が、一時行方不明になる。
  • 9月18日、沖縄西表島南西の中御神島の沖合で、ドリフトダイビングをしていた8名のうち2人が行方不明になる。1人は死亡し、もう1人は3日間捜索したが見つからなかった。
  • 10月10日、沖縄座間味村の嘉比島ビーチで、男性が体験ダイビング中に気分が悪くなり、浮上後に死亡。

このような事例を見ると、ダイビングに興味がある方でも事故への恐怖から、なかなかダイビングをしようと思えないかもしれません。しかし、過去に起きた事故の原因を探ると、少しの準備と心構えで防げたものがほとんどです。

ここからは、2023年に起きた事故の原因を見ていきましょう。

ドリフトダイビングとは

2023年の事故事例を見て目立つのは、「ドリフトダイビング」というワードではないでしょうか。ドリフトダイビングは、スキューバダイビングの一種です。エントリーしたポイントに浮上する普通のダイビングとは違い、潮の流れに乗って移動した先で浮上し、ボートにピックアップしてもらいます。

そのため、ボートが浮上したダイバーを確実に見つけられるようにする必要があります。この目標になるのが水面フロートです。ダイバーの1人が水面フロートに繋がれたロープを引くことで、ボートがダイバーの位置を把握することができます。

水面フロートは普通グループで1つなので、ダイバー同士が常にまとまっていることも重要です。また、潮の流れに乗って移動するドリフトダイビングは、流れが速い場所で行われます。スムーズな潜降や中性浮力などのスキルが必要な、中上級者向けのダイビングです。

ドリフトダイビングの事故例①

6月19日に7名が行方不明になった事故の大きな原因は、水面フロートがロープから外れてしまったことでした。フロートがロープから外れないようにする点検や準備が不足していたのかもしれません。

また、事故当日は風速8-9mと風が強く、波も高かったそうです。ドリフトダイビングに適した天候ではなく、本来は天候を見て予定を変更する必要があったと考えられます。

ドリフトダイビングの事故例②

9月18日に2名が死亡、行方不明になった事故もドリフトダイビング中のものでした。事故にあった2名はお客さんとして参加していて、他にガイドが1名、他のお客が3名いました。

エントリーから1時間後、事故にあった2名の残圧が浮上開始目安まで減ったため、ガイドは2名だけを先に浮上させたところ、そのまま行方不明になってしまったようです。まとまって行動するのが基本のドリフトダイビング。

バラバラに行動させてしまったことが大きな原因になっています。また、ドリフトダイビングで潜っている時間は通常40分から60分程度。エントリーから1時間経っているのに、2名だけ先に浮上させる必要もなかったはずです。

体験ダイビングの事故例

10月10日の体験ダイビング中の事故では、亡くなったのは63歳の男性でした。通常の体験ダイビング中に「浮上したい」と訴え、ガイドとともに浮上しましたが、その後意識不明となり、そのまま死亡してしまいました。

直接の死因は明らかになっていませんが、高齢であることからダイビングに適さない持病をもっていたのかもしれません。また、体験ダイビングなのでそれほど深くは潜っていないはずですが、減圧症になっていた可能性もあります。

安全にダイビングを楽しむには

事故の原因を見て、どう感じたでしょうか。今回紹介したもののように、ダイビング事故の中には少しの準備で防げるものが多くあります。特に次のようなことを心がけることで、事故に遭う確率を大きく下げることができます。

  • 器材の点検、使い方の確認:破損や劣化がないか、器材トラブル時の対処法の復習。
  • 天候チェック:ダイビングに適さない天候の時は中止するか行き先を変える。
  • 体調チェック:ダイビングに適さない持病がないか確認する、体調が悪い時は中止する。
  • 信頼できるショップを選ぶ:器材の点検、安全確認がしっかりしているか、ダイビング先の環境を熟知しているかなどを確認する。